生命保険協会というところが、生命保険の動向という統計を毎年発表しています。その2012年度版を見ると、面白い事実が読み取れました。
それは、ここ数年、終身保険の新規契約件数が大幅に増えているという事実です。具体的には次のように推移しています。
平成20年度:194万件
平成21年度:236万件
平成22年度:303万件
平成23年度:353万件
これを見るとわかるように、終身保険はここ4年の間に、約2.6倍に新規契約件数が増えているのです。はっきり言って、この伸び方はちょっと異状です。生命保険会社が余程熱心に売り歩いているとしか考えられません。
もう一つビックリしたのが、終身保険の新規契約件数が医療保険を超えたという点です。医療保険のCMやら広告やらは、いたるところで目にする印象です。その医療保険よりも終身保険の方が契約件数が多いのです。逆に、終身保険のコマーシャルなんて、ほとんど見た記憶が無いのですけどね。
ちなみに、終身保険と医療保険を比べると、一般に掛け捨て型である医療保険の方が保険料が安いはずです。つまり家計としては、医療保険の保険料の方が負担しやすいはずなのです。それなのに、終身保険に契約件数で負けてしまったわけですね。
一時払い終身保険が人気の理由は?
終身保険がこんなに売れている理由は、率直に言って良く分かりません。一つ理由で挙げられそうなのが、銀行で「一時払い終身保険」を積極的に販売しているという点でしょうか。ちなみに、一時払いというのは、保険料を最初に全額払ってしまうということですね。
一時払い終身保険は銀行の定期預金に性格が近い商品です。唯一大きく違うのは、短期で解約すると元本割れの可能性があることくらいでしょう。定期預金からの乗換えをするような長期運用の預金者としては、利用しやすい商品と言えるはずです。銀行が積極的に勧めるのも分かります。
また多くの場合、銀行の定期預金に比べれば、終身保険の方が運用の利回りとしても良いはずです。ですから、銀行の定期預金が満期を迎えた時に、銀行が勧めやすい商品といえそうですね。あるいは、退職金の運用先としても向いているかもしれません。
ただ、銀行が好調というだけでここまで新規契約を増やせるのかどうかは不明です。一つの理由であることは分かりやすいでしょうけどね。
インフレに弱い商品なのは忘れないで
終身保険を選ぶ最大のデメリットは、インフレに弱いという点です。積立利率変動型終身保険や変額終身保険を選ばない限り、インフレが起こると実質で目減りする可能性もあります。
政府は緩やかなインフレの状態をキープするのが望ましいと考えて経済政策を行っています。そうなると、運用してお金が増える部分よりインフレで目減りする部分の方が大きくなる事も考えられます。特に、長期金利の低いタイミングで契約してしまうと悲惨です。
そのあたりの状況を理解した上で、利用することをお勧めします。
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