アベノミクスが生命保険に与える影響は| 貯蓄性の高い生命保険に関しては注意が必要でしょう

アベノミクスという経済政策は、金融商品選びにも影響を与えます。当然ですが、生命保険を選ぶ時にも影響があるのでしょう。もっと言うと、既に入っている生命保険の見直しも検討しないといけないかもしれません。

生命保険は長期間運用し続ける商品ですから、経済政策の影響も大きくなります。ですからどんな影響があるかは、考えるに値する重要な問題だと思います。まだあまり議論がされていないようですけどね。

さて、アベノミクスの金融政策の基本は、インフレ政策です。このことが実現できるかどうかで、私たちの保険は大きな影響を受けます。特に、貯蓄性が高い保険は、大きな影響を受けるでしょう。本当にインフレになったら、貯蓄性の保険を持っている人は損をするのです。

また、定期保険などの掛け捨て型の保険でも、一定の影響はありそうです。保険金額の見直しが必要かもしれません。

具体的にどういうことか、見ていきましょう。

アベノミクスはインフレを起こす政策

アベノミクスの肝は、2%台の安定したインフレを起こすことです。そして2%台のインフレが本当に起こるとすると、日本円の価値は年2%台の割合で下がっていくことになります。

インフレというのはものの値段が上がることですが、裏を返すとお金の価値が小さくなると言う意味でもあるからです。

ということは、2%以下の運用利回りで運用しているような金融商品は、徐々に価値が減っていくことになります。2%以下の運用利回りの商品だと、インフレ以上の運用益を出すことができませんからね。円の価値の減少分に、運用益が追いつかないのです。

インフレが起こると多くの生命保険でのは不利なケースが増える

ところで、現在の貯蓄型の生命保険は固定金利型のものが主流です。固定金利型ということは、将来市場金利が変動しても、運用の金利は固定されていると言うことですね。

そして、運用利回りは1%以下と考えられています。おそらく、予定利率では、1%台が想定されているはずです。しかし、付加保険料という手数料まで考慮して利回りを考えると、実際の運用利回りとしては、1%を割る水準になるはずです。

まあこのあたりは、保険の手数料が不透明なので、断定的なことはいえませんけどね。

なんにしても予定利率が1%台で、金利が固定と言うだけで、アベノミクスが上手くいく場合のインフレに負けるのです。つまり、積立型の保険の価値は時間とともに減っていくことになるわけです。

これが、生命保険にとってのアベノミクスの最大の影響でしょう。金利固定型の貯蓄性の高い生命保険は、利用すべきではないという結論になります。

保険で貯蓄をするのなら、金利連動型の保険にするか変額保険を使うべき

このインフレに対抗するためには、インフレ率を上回る利回りの商品を選ぶ必要があります。少なくとも貯蓄の場合、インフレ率程度のリターンが無い商品を選ぶべきではありません。

しかし、今のタイミングでは、想定されている2%台の利回りを持った固定金利の保険は存在しません。なにせ、長期国債ですら0.8%台という利回りですから。

現状では、2%台の運用をするにはかなりリスクを取らないといけないのです。

将来インフレが起きれば、長期金利も上がっていくでしょう。そうなれば固定金利の保険でも、アベノミクスが目指す2%と同程度以上の運用利回りのある保険も出てくるでしょうけどね。ただ、それは先の話です。

現状でインフレに対抗するには、固定金利の保険を選ぶ以外の方法を考えないといけません。これには、いくつかの方法が考えられます。どうしても保険で対処すると言うことなら、考えられる方法は次の2つでしょう。

一つは利率変動型の保険を使うことです。利率変動型というのは、要するに、長期金利にあわせて積立利率が変わるのです。

一般に、インフレが起こるとそれにあわせて長期金利も上がると考えられています。ということは、利率変動型にしておけば、インフレが起きた時に保険の積立金の運用金利も上がると考えられるのです。

インフレと金利は完全に連動するものでもありませんから、思ったとおりにならないケースもありえますけどね。低金利の時期に固定金利の貯蓄型の保険を選ぶことに比べれば、いくらか良い選択でしょう。

もう一つが、変額保険です。変額保険というのは、簡単に言うと、生命保険と投資信託を組み合わせたような商品ですね。積み立て部分に関しては、運用しだいで、大きく増えることもあります。インフレにも強い商品だと考えられています。

ただ、運用に失敗すると、大きく元本割れをすることもあります。元本割れが何よりも怖いと言う人は、躊躇するかもしれませんね。

保険に限定する理由は無いんだよね

ちなみに、貯蓄目的で保険を使う人の場合、保険以外の金融商品を使うことも可能です。というか、保険の手数料の高さを考えると、保険以外の金融商品を使った方が賢いのかもしれません。

保険という商品を愛してやまないような人を除いては、違う商品を考えてみても良いでしょう。具体的には、投資信託やETF と言った商品を利用することが可能です。

なんにしても早めに検討しましょうね

インフレを考慮して検討しなおす場合、少しでも早めに検討する必要があります。出来れば、保険の契約前にしっかり検討できるとベストです。

保険というのは、一旦契約すると解約しにくくなる商品です。そもそも途中で解約すると、不利になるような制度になっているからです。また、短期で解約すると元本割れをすることも多いので、心理的にも解約しづらいのです。

ですから契約する前に検討しておくのがベストなのです。既に契約してしまった場合は、傷が浅いうちに解約するべきでしょう。

掛け捨て保険も少し考慮が必要

一方、掛け捨ての保険は、インフレ政策の影響は受けにくいと考えられます。なぜかと言うと、掛け捨ての保険というのは、保険会社に入ってきた保険料の多くをその年の支払いにまわしてしまうからです。ですから、運用する部分は貯蓄性がある保険に比べて小さいのです。

ただ、掛け捨ての保険には、貯蓄型の保険とは違った問題があります。それは、インフレが起こると現在想定している死亡保険金額では足りなくなるという問題です。

例えば、現時点で死亡保険金を見積もった所、1,000万円の死亡保険金を用意しておけば良いことがわかったとしましょう。しかしその後年々物価が上がり、最終的に現時点より2割上がったとしましょう。そうすると死亡保険金は1,000万円では足りず、1,200万円必要だと言うことになります。

ですから、死亡保険金の見積もりは、インフレを考慮してちょっと大きめに見積もる必要があるのです。

書店などで見かける保険見直しの本を見ると、インフレまで考慮して設計されているものは多くありません。まあ、ここ何年かのデフレか0%台のインフレと言う状況を見れば、インフレの検討は必要ないと思うのかもしれませんね。

ただ、死亡保険金の不足分に関しては、実際にインフレが起こってから検討してもいいかもしれません。貯蓄性の保険の場合は、一旦契約したら解約して対応しなおすことが必要ですが、掛け捨て型の場合は保険の追加で事足りますから対応しやすいのです。

まあ、なんにしても、少しは気にかけておいた方が良さそうです。

未だにインフレが起こらない可能性も残っている

指標などを見ると、このまま行くとインフレになるという期待が高まっているようです。ただ、将来のことを100%予想することもできません。

例えば、早期の消費税率アップなどがあれば、このままデフレ傾向が続くこともありえます。

デフレ傾向が続くと言うことなら、固定金利型の生命保険での資産運用は、非常に悪い方法とも言えません。あまり良い方法でもないとは思いますけどね。

このあたりが、ちょっと難しいところではありますね。

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