国内大手生保会社では、一時期、アカウント型保険と呼ばれる保険の販売に力が入れられていました。しかし最近では、このアカウント型が積極的に売られている様子は見られません。
この商品は生保会社の主力商品になるはずの商品でした。いったい何が起こってしまったのでしょうか?
定期付終身保険が批判を受け開発されたアカウント型だが
そもそもアカウント型保険と言うのは、定期付終身保険に代わる商品として開発されました。それまでの大手生保の主力商品だった定期付終身保険が各所から非難を受け、それに代わる商品としてアカウント型が開発されたと言う経緯があります。
ただ、アカウント型はそれほど売れなかったようです。国内の保険で大きなシェアを持っていると言う話は聞いたことがありません。生命保険協会の統計などを調べてみたのですが、アカウント型のシェアに関する調査すらされていなかったようです。人気が出なかったのでしょうね。
定期付終身保険も風前の灯か
それでは定期付終身保険は生き残ったのかというと、どうもそういうわけではありません。今でもかろうじて存在はしていますが、国内の契約件数で見るとかなり減っています。
定期付終身保険のほうは生命保険協会の統計から確認できます。
「生命保険の動向(2013年版)」によると、平成24年の生命保険の全契約保有件数が13,601(万件)でした。これに対し1,229(万件)は定期付終身保険が占めています。つまり平成24末の時点で継続している生命保険契約のうち、約9.0%は定期付終身保険ということです。
一方、平成24年の新規契約件数で見ると、新規契約全体が1,489(万件)なのに対し、定期付終身保険の契約件数は28(万件)しかありません。これは比率に直すと1.9%です。
契約保有件数では9.0%残っているのに、新規契約が1.9%しかないのです。つまり新規契約が無くて昔の契約が残っているだけと言う状態に近いことがわかりますよね。新しい契約が取れない状態なのです。もしかしたら、積極的に契約を取りに言っていないのかもしれません。
ちなみに過去の条件が良い契約は、生保会社が率先して解約させた時期もあります。ということは、全盛期はさらに大きな比率の契約があったのでしょう。
つまり、過去の主力商品だった定期付終身保険は本当に過去の遺物になりつつあります。そして、それに代わるものとして作られたアカウント型も、主力商品になり得なかったということです。
実際、アカウント型が出来たころからしばらくは、大手の生保会社が苦しんだ時期もありました。生命保険の契約がどんどん減っていましたからね。
現在は医療保険と貯蓄型保険で稼いでいる
定期付終身保険もアカウント型保険も駄目になった国内生保大手は何で商売をしているのでしょうか。実は彼らは、違う保険で売り上げを伸ばしています。
具体的にどんな保険で売り上げを伸ばしているかというと、医療保険と貯蓄性の高い保険です。貯蓄性の高い保険と言うのは、具体的には、養老保険や終身保険といった古くからある保険です。
医療保険に関しては、保険会社が積極的にセールスをしているのがわかる人も多いのでは無いでしょうか。テレビのCMなどでも医療保険のCMを見かけることが多いですよね。
ただ、貯蓄型の生命保険が売れているのは、実感がわかない人も多いのかもしれません。医療保険のようにガンガン宣伝しているわけでは無いですからね。
実は、貯蓄型の保険に関しては、銀行による販売の影響が大きいようです。銀行が積極的に保険の販売をしているようなのです。どうやら銀行預金として預金者からお金を預かって運用するよりも、預金を取り崩させて保険を買わせ手数料を受け取るほうが、銀行にとってメリットがあると考えているようなのです。ですから、定期預金が満期を迎えると、その一部で保険の購入を勧める銀行も増えているようです。
ということで生命保険に関しては、一時の退潮傾向から脱し、また契約件数を増やしているようです。ただ、銀行の態度しだいというところはあります。銀行が自分たちで運用するほうが良いと判断したら、保険の契約はまた厳しくなるかもしれません。
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