有期年金と確定年金はどちらを選ぶべきなのだろう?

個人年金保険の受け取り方法には、「有期年金」「確定年金」「終身年金」の3つのタイプがあります。この内の「有期年金」と「確定年金」は、期間が決まっているという大きな共通点があります。例えば、最長で10年と決まっていれば、どんなに長生きしても、10年以上年金が支払われることはありません。

さて、似たタイプの2つの保険のうち、私たちはどちらを選ぶのが良いのでしょうか。ちょっと考えてみましょう。

有期年金と確定年金は似ている

前のページで書いたように、個人年金保険を受け取る期間には、3つのタイプがあります。有期年金と確定年金はそのうちの2つです。

ちなみに後一つが、終身年金ですね。

さて、実は有期年金と確定年金の2つは、非常に似ています。最長の給付期間が決まっているので、どんなに長生きをしても、給付期間が終わったら年金がもらえなくなるのです。

そんな似ている2つの年金のうち、私たちはどちらを選んだ良いのでしょうか。迷う人も多いでしょう。1

このページでは、どちらを選ぶのがいいのかについて考えてみましょう。

有期年金・確定年金とは

まず最初に、有期年金と確定年金について簡単におさらいしておきましょう。

有期年金も確定年金も、どちらも受給の期間が決まった年金だという点は変わりがありません。10年なり15年なりという期間が定められていて、その期間は年金が受け取れます。

それ以降は、どんなに長生きをしようとも、1円も受け取ることはできません。長生きをする人には、ちょっと困った年金なのです。

では、この2つの何が違うのでしょうか。実は、定められた10年なり15年なりが来る前に、被保険者が亡くなった場合の扱いが違います。

有期年金は被保険者が亡くなったら、それ以降は年金が支払われません。死んだらおしまいです。

一方の確定年金は、被保険者の生死にかかわらず、決められた期間年金が受け取れます。年金を受け取る期間が決まっているので確定年金と覚えておくと、ごっちゃにならなくて良いと思います。

例えば、受給期間が10年の有期年金と確定年金があったとしましょう。受給開始は65歳だとします。

この保険の被保険者が、受給期間のちょうど真ん中の70歳で亡くなってしまったとします。この場合、有期年金ではそれ以降は年金が支払われなくなるのです。それに対して確定年金では、遺族が残りの年金を受け取ることができます。

確実にもらえる確定年金の方が得なのか?

さて、上の説明は、次のように解釈する事も可能です。

確定年金なら決まった額が必ずもらえる。
一方、有期年金は満額もらえるかどうかは運次第である。

こう考えると、確実に一定額をもらえる確定年金の方がお得なように感じる人もいるでしょう。

しかし、もちろんそんなことはありません。どちらの受給方法を選んでも、有利不利はないのです。

なぜなら、有期年金は受給額が少なくなる可能性がある分、保険料が安くなっています。年金額が同じなら、有期年金の方が保険料が安いのです。

確率的に見ると、両者に有利不利の差がないようになっているのです。

まあ、細かい事を考えると、損得がないわけではありませんけどね。大きな差ではありません。

そうであるのなら、使い勝手がいいほうを選べばいい事になります。

年金の意味を考えると有期年金がいい

使い勝手で考えると、有期年金と確定年金はどちらがいいのでしょうか?

個人年金保険を利用する目的は、老後の生活資金を準備するためです。そうであるのなら、被保険者が亡くなった後に給付があってもあまり意味はありませんよね。

確定年金の場合は、遺族が残りの年金を受け取ることになります。でも、これって、年金の目的からしたら関係ないお金ですよね。

そう考えると、保険料の安い有期年金を選ぶのが賢い選択でしょう。確定年金と同じ保険料を払えば、年金の額を大きくする事も可能です。年金の目的からすると、理にかなっているはずです。

結婚している場合は判断が難しい

単身の方なら、上のような考え方が合理的でしょう。絶対に有期年金を選ぶべきです。

しかし、結婚している場合は、ちょっと話が違ってきます。例えば、被保険者が夫だった場合で、夫が受給開始直後に亡くなったとします。

有期保険を選んでいると、夫の死後は年金が支払われません。そうなると、妻は困ってしまいますよね。

ということで、被保険者の配偶者の生活費まで考えると、確定年金もそれなりの意味はありそうです。一長一短あり、なかなか難しいところですね。

夫婦年金という年金保険もある

この問題を解決する一つの方法に、夫婦年金を利用すると言う手もあります。夫婦年金というのは、夫又は妻のどちらかが生存している限り年金が受け取れるというタイプの年金保険です。

夫婦ではいる終身年金というイメージで捉えておくと良いでしょう。

夫婦年金は夫か妻のどちらかが生きている限り年金が払われるので、非常に合理的な年金保険といえます。ただ、ちょっと問題がないわけでもありません。

というのも、夫婦年金は保険料に対する年金の額が小さいのです。年金を受給できる期間が長くなる分、額は小さくなるということですね。

ですから、夫婦年金を利用するなら、ある程度の保険料の支払は覚悟した方がいいかもしれません。

生保会社が扱っているのは確定年金か終身年金ばかり

ここまで紹介してきたように、有期年金には確定年金にないメリットがあります。保険料に対して年金額を大きくしたい人や、年金額に対して保険料を安くしたい人なら、積極的に利用すべきでしょう。

ただ、現実問題として、有期年金を利用するのは簡単ではありません。何故かと言うと、扱っている保険会社が見当たらないのです。

有期年金の仕組みを考えると、早死にすると確実に損をすることになります。逆に言うと、払い終えるまで生きていれば、定期年金よりも得なのですけどね。

おそらく、日本人の国民性から考えて、得をするより損をしたくないと考える人が多いのでは無いでしょうか。保険としての合理性よりも、損をしたくない心理の方が勝つ人が圧倒的に多いのでしょう。

保険会社としては、売りやすい商品を売るのが基本です。確定年金のほうが多いという背景には、そういう日本人の特性が影響しているのでは無いかと思うのです。

有期年金にしたところで、保険会社に大きなデメリットがあるわけではありませんからね。売りやすい年金が残っているということだと思われます。

  1. まあ、実際には迷う人はあまりいないと思いますけど。理由は後述します。 []

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