保険の話に入る前に、ちょっと次のような例を考えてみてください。
あなたは夕食のおかずに、カレーを作ろうとしているとします。他の食材はそろっていますが、カレールーだけが無かったとしましょう。急いで買いに行かないといけません。
さて、あなたの家の近所には2件のスーパーがあります。一軒目のスーパーAは高級志向のスーパーで、ナショナルブランドの商品でも定価に近い金額で販売されています。もう一軒のスーパーBは、比較的低めの価格で販売するスーパーです。ナショナルブランドの商品なら、定価の2から4割引程度で購入できるとしましょう。
家からの距離が同じくらいで、どちらのスーパーにも普段使っているカレールーがおいてあるとします。あなたならどちらのスーパーに買い物に行くでしょうか。
普通は価格が安いほうに行きますよね
買いたいものが決まっていて、それが2つのお店に置かれているのがわかっている場合、普通は価格が安い方に行きますよね。まったく同じものだと知っているのに、値段が高いほうに行くことはありません。
ですからほとんどの人は、上のような例だと、スーパーBに行くはずです。スーパーAに別の用事、例えば高級チーズがほしいなんて理由があれば、スーパーAに行ったついでにカレールーを買うこともあるでしょうけどね。そういった特殊な要因が無ければ、スーパーBを利用するはずです。
これは、大体同意してもらえるでしょう。
保険に関してはそうなっていない
でも、生命保険に関しては、上のような判断がされることはまれなんですよね。同じような保険が売っていた場合、価格が安い方ではなく、価格が高い方を選んでしまうのです。どういうことかというと、大手の生保会社を選んでしまうのです。
純粋に価格で選べば、大手の生保なんて選ぶ理由はまったく無いのです。同じ保障を得るために、どれだけ余分に手数料を払わないのかいけないのかと考えると、ゾッとします。
何となく安心感があるのでしょう
ただ、契約者が大手の生保を選ぶ理由も、まったくわからないわけではありません。大手の生保を選んだほうが、何となく安心感があるのが一つの理由でしょう。つまり、何となくの安心感にお金を払っているともいえるわけです。
ただ、大手の生保が本当に安心なのかと言われると、ちょっと疑問に思わないわけではありません。過去にも倒産が噂される大手生保もありましたからね。それに、契約者に対するサポート体制という意味の安心感も、大手が優れているとは言い切れません。それにそもそも、生命保険では損害保険ほどは求められません。
さらに言うと、大手は過去の不利な契約を持っている分、不利な状態にあるともいえます。過去に高い予定利率で契約した保険が、いまだに残っているのです。こうした契約があるために、数年前までは逆ザヤと言われる状態でした。しかし、比較的新しい契約しかない保険会社は、過去の不の遺産とも無縁でいられます。
安心感を求めて大手の生保を選ぶのが悪いとは言いませんが、余分に払っている保険料ほどの価値があるのかどうかは考えてみる必要があるでしょう。また、本当に大手なら安心感が高いのかも考えてみるべきです。
生命保険は自分から積極的に入らない人が多い
大手が選ばれないもう一つの理由は、生命保険には自分から積極的に入っていない人が多いという事情がありそうです。周りの人や営業の職員にすすめられるがままに保険に入ってしまうのです。この事は昔から言われていますね。
自分から積極的に選んでいれば、もっと慎重に比較をした上で保険を選ぶはずです。しかし、保険の営業や周りの人からの勧めの場合は、そういう比較検討をサボりがちですよね。保険の営業からの一方的に勧められているひとは、通常は入るか入らないかの選択しかしません。別の保険会社の方が良いのでは無いかとは考えないのです。
そうなると、営業力で上回る大手の方が有利ということになるわけです。逆にネット生保は、こういう人たちには存在すら知られない状態で、まったく勝負にならないでしょう。
このように、生命保険というのは、ちょっと特殊な商品であることがわかります。同じ保障を安い価格で提供しても、そのメリットに契約者がなかなか気づいてくれないのです。
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