保険金の支払は他の契約者にとって不平等?

一つ前のページで、御嶽山の噴火でケガをした人や亡くなった人に保険金を支払するというニュースをご紹介しました。

個人的には、今回の判断は当然のものだと思っています。なぜかというと、地震や噴火での死亡やケガを免責にしているのは、そういったケースでの保険金の支払を全て認めてしまうと、保険会社が倒産する可能性があるからです。

しかし今回の噴火では、亡くなった方は50名程度でしょう。不明者も多く最終的な人数はもう少し増えるかも知れませんが。

仮にこれらの方々全てが同じ会社の生命保険に入っていたとしても、保険会社が倒産する可能性は小さいですよね。一人3,000万円としても15億円程度ですから。

そうであれば、免責にする必要性はほとんど無いわけです。これによって保険の運営に影響が出ることは無いのですから。

この決定を不平等と感じる人もいるようです

ただ、世の中には、ちがった考え方をする人もいるようです。中には今回の保険金を払うと言う決定は、不平等だと感じている人もいるのだとか。

例えば、Yahoo!ニュースのコメント欄には、次のような意見がありました。

そういう契約をして、保険金を支払っている人からのお金で、契約という観点では不平等になってしまう。
いくら、たいへんなこととはいえ、保険というものの信用性を落としてしまうのでは?契約外のことで保険金を支払った分は
結局、その契約でお金を払っている人からもらっている。

ルール違反でお金を配るのは、他の契約者に不利益だと言いたいようです。

まず指摘しておかないといけないのは、この方は保険のことをあまり理解されていないようです。例えば、一番最初に出てくる「保険金」は「保険料」の誤りだと思われえます。

また、免責に関して、約款でどのように書かれているかもしらないのでしょう。保険会社が契約違反をしていると思っているようです。

しかし実際にはそんなことはありません。約款に書かれているのは、「免責事由にあたる場合は保険金を減額したり支払わないことが出来る」という内容だけのはずなのです。

実際、ソニー生命の終身保険の約款では、次のように書かれています。

地震、噴火または津波によって第2条(保険金の支払)第3項の事由に該当した被保険者の数の増加が、この保険の計算の基礎に影響をおよぼすときは、会社は、保険金を削減して支払うことがあります。ただし、この場合でも、別表5により計算される金額を下まわることはありません。

これを読むと分かるように、減額して支払うことがあると書かれているだけなんですよね。ということは、保険会社の判断で払ってもまったく問題がないのです。

ですからこのコメントの指摘は、筋違いと言えば完全に筋違いではあるわけです。保険会社は、約款に書かれたルールの範囲内で判断をしただけですから。

ただ、それにしても、ちょっとすごいセンスですよね。家族を亡くした人に保険金を支払うのが、不公平と感じるって。

人によって、物事の感じ方って違うんですね。

約款に反していたら裁判沙汰になるかも

ちなみに、保険会社が約款に反して保険金を支払ったとしたら、裁判沙汰になってもおかしくはありません。ですから、その意味でも約款は絶対に守るはずなんですよね。

上のようなコメントをした人は、約款を無視して保険金の支払を決めたと本気で思っているのでしょうか。それに対する影響の大きさを考えれば、約款を破るなんて軽々しくするはずは無いのですけどね。

それとも、そこまで考えていないのかな。不思議なコメントでした。

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