2014年9月中間連結決算で、第一生命が日本生命を抜き、保険料収入トップになったのだそうです。保険料収入というのは、他の業界で言うところの売り上げのことですね。1
保険料収入が逆転した要因は、銀行での保険販売で第一生命が好調だったからです。最近は銀行による販売が盛んで、銀行を使った販売戦略のうまい下手が、逆転の要因になっているようですね。
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生保業界の保険料収入が下げ止まったのは銀行のおかげ
数年前まで、生保業界の保険料収入は右肩下がりの状態でした。それがまたプラスに転じました。その要因の一つが、銀行の窓口販売が増えたからです。
2011年の段階で、保険料収入の16%程度が銀行の窓口販売によるものだったようです。2 という事は、これを書いている時点では、銀行の影響はさらに大きくなっているのでしょうね。営業のかなりの部分を銀行に依存していると言って良い状態です。
保険の営業といえば、以前は外交員に企業を回らせるという営業活動をしていました。懇意の企業があり、新入社員が入ると「社会人になったら保険に」とか、社員が結婚すると「ご結婚を期に保険に」というような感じで営業していたのです。
しかし、セキュリティの強化などから、外部の人間が企業内に入るのは難しくなりました。ですから必然的に、外交員が企業に食い込んでいくような営業が難しくなったようです。
それを補うための、銀行という販売チャンネルを使った営業を強化しているようなのです。そして、実際に成果を上げているようですね。
銀行というチャンネルの使い方次第で、順位の変動は今後も起こりうる
銀行のような全国に支店網をもつ販売チャンネルを使う事を考えると、保険の営業スタイルは今後も変化していく事が考えられます。また銀行は、預金口座という財布を握っているようなものですから、契約を取り付けやすいはずです。保険料の支払が、その場で出来てしまいますからね。
こういった状況を考えれば、首位の逆転も今回だけでは無いのかもしれません。今後も順位の変動が見られるかもしれませんね。
一方の銀行も、預金残高を増やすことよりも、保険や投資信託の販売に熱心なようです。銀行側の事情としても、保険の販売を増やしてくる可能性はありそうです。
日本生命が一気に落ちぶれる可能性も
可能性という程度の意味なら、日本生命が一気に落ちぶれる将来像も考えられそうですね。日本一という看板は、営業活動をする上で非常に有利な要素のはずです。良く分からないから、とりあえず一番大きいところという選択をする人は、少なくありませんから。今後はこの営業を第一生命にやられてしまう可能性もあるわけです。
もちろん、保険料収入が首位でなくなったと言っても、保有契約数などでは首位をキープしているはずです。生保の場合は複数年契約ですから、保有契約数などはすぐに首位から陥落するわけではありません。
ただそれでも、ライバル企業に「日本一」という文言を使われるのは、看過できる話ではないでしょう。その看板のために奪われる顧客というのも、少なからずいるはずですから。
興味深い問題ですから、今後も継続的に見ていきたいものです。
ネット生保はほとんど影響が無かったようです
ちなみに、少し前まではネット生保がシェアを奪うのでは無いかという観測もありました。そのことで生保業界の構造が変わると考えた人もいたようです。
しかし、ネット生保に関しては、かなり期待はずれという感じが強いようですね。既存の構造を脅かすような存在には全くなれていません。
- 戦後初、日生が保険料収入トップ陥落 第一生命に抜かれ…対抗心あらわ(SankeiBiz)2014年11月29日 [↩]
- 生保、銀行窓販へ依存強まる 保険料収入の16%に(日本経済新聞 電子版)2011/8/13 [↩]
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