アベノミクスと呼ばれる一連の経済政策が理由で、貯蓄型の保険はかなり使いづらくなったと言っていいでしょう。はっきり言って、投資商品としては非常に不利なのです。
このページでは、その理由を簡単に説明したいと思います。
低金利の時には生命保険での貯蓄はNG
貯蓄型の保険の多くは、予定利率と言われる運用金利1 が決まっている固定金利型の商品です。という事は、いったん契約したら、契約した時の金利のまま予定利率は変わらないわけです。
予定利率は当然ですが、市場金利の影響を受けて変動します。国債の金利が低い時には、予定利率も低く設定されるのです。
ですから、国債の金利が低い今のような時期は、貯蓄型の生命保険は避けておいた方が良いわけです。金利が低い時に契約すると、不利な条件で契約することになるのです。
もっと言うと、自分から進んで不利な金融商品を選んでいるようなものなのです。
ちなみに、運用金利が固定ではない変額年金などは、この限りではありません。株式などを使って運用する分、むしろ有利な条件で運用できると考えられます。
実際の予定利率を調べてみた
それでは、最近の予定利率は具体的にどうなっているのでしょうか?具体的な数字を、ちょっと調べてみましょう。
「週刊現代」2016年9月3日号の記事の中で、一部の生命保険会社の予定利率が紹介されていました。引用してみます。
たとえば、明治安田生命は7月から『エブリバディ』の予定利率を0.5%から0.3%へ、同じように住友生命は『5年ごと利差配当付終身保険(一時払い)』を0.6%から0.5%へと改悪している。2
ちなみに、どちらの保険も終身保険です。
この引用部分から分かるように、どちらの保険も予定利率が下がる傾向にあります。そしてそれ以上に、金利の水準自体がかなり低い状態です。どちらも1%を大きく割り込むような水準ですからね。
率直に言って、これだけ予定利率が低いと、生命保険で運用する意味はありません。そもそも手数料が高い生命保険では、黒字にするだけでも一苦労でしょう。
ということで、生命保険を使った運用を検討している人は、違うタイプの金融商品を選ぶ事をお勧めします。あるいは、どうしても保険が良ければ、変額保険などの固定金利タイプではない貯蓄型の保険を選ぶことを考えた方が良いでしょう。
- ちなみに、支払った保険料すべてが予定利率で運用されるわけではありません。支払った保険料のうち、積み立てに回される部分が予定利率で運用されるというイメージで理解してください。 [↩]
- ぼったくり商品にダマされるな!「買ってはいけない保険」全実名 各種保険の注意点を総チェック
現代ビジネス 2016年8月30日 [↩]
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