2014年に2番目に売れた保険は終身保険| 低金利のご時世に貯蓄型の保険に入る理由が全く分からない

前のページで見たように、生命保険協会がまとめた「生命保険の動向」によると、2014年に日本で2番目に新規契約件数が多かった生命保険は終身保険でした。ちなみに、第1位は医療保険です。

率直に言って、この結果はかなり不可解です。というのも、市場金利が低い時期というのは、終身保険の契約に向いていない時期だからです。

ご存知のように2014年というのは、アベノミクスという経済政策のために日銀が異次元緩和をしている年です。10年物国債の金利も、ゼロに近づいていました。

ちなみに、翌年の2016年にはマイナス金利も導入されています。その影響で、10年物国債の金利もマイナスになりました。

そんな時期に終身保険の契約をするなんて、正気とは思えないのです。

市場金利が低い時期に終身保険がダメな理由

日本では貯蓄型の生命保険は、大体が固定金利型です。そうでないタイプも存在するのですが、ごく一部と考えて良いでしょう。

ちなみに今回の「生命保険の動向」というレポートで「終身保険」とされているものは、すべて固定金利型だと考えて良さそうです。なぜかというと、「終身保険」の他に、「利率変動型積立終身保険」「変額保険」という分類が存在するからです。

固定金利以外の終身保険には、別のカテゴリーが用意されているわけですね。

市場金利がゼロに近い時期に固定金利型の生命保険を使って貯蓄をするのは、はっきり言って最悪の選択です。なぜかというと、保険の貯蓄部分だけを考えれば、金利がゼロに近い時に定期預金をするようなものだからです。

金利がゼロだったら、誰も定期預金にしようと思いませんよね。普通預金に入れておいても変わりませんから。

それにもかかわらず生命保険においては、そんなバカげた選択をする人も多いわけです。

定期預金以上にひどい選択

実はそれだけではありません。金利がゼロに近い時に終身保険を選ぶというのは、定期預金を選ぶこと以上に問題なのです。

貯蓄型の保険というのは、解約すると解約返戻金というお金を受け取れます。契約開始からの期間が短い場合、この解約返戻金は支払った保険料よりも少なくなるのです。

契約する年齢や運用金利である予定利率にもよりますが、最近だと10年程度だとマイナスでしょう。

終身保険を選ぶのは何故だ?

繰り返しますが、日銀の金融緩和の影響で、市場金利は過去最低レベルで推移しています。こんな時期に終身保険の契約をするのは、保険の仕組みについて分かっている人だと、ちょっと考えられません。

もし正当化できるとしたら、相続税対策で終身保険に入っている場合くらいかなあ。節税の効果に期待するなら、まあ、終身保険を含めた貯蓄型の生命保険もありかもしれませんからね。

でも、そういう理由で契約している人はそれほど多くないでしょう。保険で準備をしないといけない金持ちは、かなりの少数派でしょうから。

という事は、多くの契約者は、不利な契約をしていることを理解しないまま終身保険の契約をしているのでしょうか。

保険の営業もあこぎだよね

保険についてよく分からない人が、積極的に終身保険を選んでいるとは考えにくい気がします。保険に詳しくなければ、積極的に選びようがないですからね。

という事は、保険の営業が、不利なことを分かったうえで勧めている可能背が高そうです。最近では銀行なんかも、終身保険の販売に力を入れているようですね。

商売とは言え、ちょっと酷いですね。保険の営業なんて、昔からそんなものなのでしょうけど。保険会社の都合で設計されたとしか思えないような保険もありましたしね。

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