前のページで、2014年度は終身保険の契約者が多かったことをご紹介しました。医療保険についで多く、347万件も新規契約があったのです。
しかも、終身保険の契約が多いのは、今始まった話ではありません。ここ5年は終身保険と医療保険はずっと首位争いをしています。
また、終身保険の契約件数も、平成22年度から次のように推移しています。
- 平成22年度:303万件
- 平成23年度:353万件
- 平成24年度:387万件
- 平成25年度:337万件
- 平成26年度:343万件
- 平成27年度:357万件
- 平成28年度:351万件1
ばらつきはありますが、300万件台で安定しているのが分かります。終身保険は安定して新規契約の件数が多い生命保険であることが分かります。ちなみに、この期間は、ずっと医療保険に続きて契約件数が2位でした。
市場金利が下がっても終身保険の契約が大きく減らないのは不思議
第2次安倍内閣の発足が平成24年です。そこから始まったアベノミクスの影響で、市場金利は下がっています。
ということは、生命保険の運用利回りである予定利率も下がっているはずなんですよね。実際に予定利率が下がって、終身保険の保険料が大幅に上がったなんてニュースもありましたからね。2
運用利回りが下がったという事は、契約者にとって不利になっているはずなのです。保険金に対する保険料が高くなるわけですから。それにもかかわらず契約者が減らないというのは、ちょっと不思議な現象と言っていいでしょう。
営業が頑張って売っているのか?契約者が無知なのか?
もっとも、平成24年度と比べて平成25年度は契約件数が少し減っています。その意味では、金利低下の影響は多かれ少なかれあったとみるべきでしょう。
それでも、平成22年度と比べると、平成26年度は契約件数が多いんですよね。これはやっぱり不思議な数字です。生保会社の販売努力のたまものなのでしょうかねえ。
何にしても、合理的に考えると、終身保険の契約ってもっと減っても良いはずなんですよね。明らかに不利な金融商品ですから。
相続税はちょっと影響を与えそう
終身保険が増える要素として一つだけ考えられるのは、相続税の課税対象が広がったという点くらいでしょうか。
平成27年の1月1日から、相続税の基礎控除額が引き下げられました。ということは、生命保険を使って節税をしないといけない人が増えたわけです。生命保険に入っていると、「法定相続人×500万円」までは相続税の非課税枠になりますからね。
平成26年にちょっと増えているのは、その影響なのかもしれませんね。ただ、相続税だけで終身保険の契約が多い理由は説明できないように思います。
率直に言って、やっぱりかなり不思議な感じがする数字です。
- 2017年11月:平成27年と平成28年を追加しました。 [↩]
- ■ 終身保険が買えないのはマイナス金利のデメリット?| 冷静に考えてみると不利益は小さいはずです [↩]
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