50歳代・60歳代の保険契約者が多いのは何故?| 相続税対策という事でしょうか?

「生命保険の動向」という、生命保険協会の調査によると、50歳以降に新規で生命保険の契約する人はかなり多いようです。新規契約全体の3割のほどが50歳以降なのです。

しかし、一般的には、生命保険というのは若い人のためのものです。なぜかというと、年齢が上がるに従って、生命保険の必要性は小さくなっていくのです。

年齢が高い世代の契約が多いのはなぜなのでしょうか。

50歳以上の新規契約が3割

生命保険協会の「生命保険の動向」というレポートで、興味深い項目を見つけました。2014年度の1年間に新規に生命保険の契約をした人が、何歳かを調べたものです。

具体的には、次のような結果でした。

  • 20歳未満:17.1%
  • 20歳代:16.6%
  • 30歳代:19.3%
  • 40歳代:16.8%
  • 50歳代:12.4%
  • 60歳以上:17.8%

比較的バランスよく、各年代が契約していることが分かります。

ちなみに、今回調査対象となった契約には、個人年金保険は入っていないようです。その一方で、医療保険やがん保険は入っているようですね。

要するに、生命保険会社が扱っている保険の中で、個人年金保険以外が対象になっていると考えればいいようです。

50歳代・60歳以上の割合が多いのが不思議

率直に言ってこの結果は、私にとっては意外なものでした。「50歳代」と「60歳以上」の割合が、予想以上に多かったからです。

一般的に生命保険というのは、20歳代後半から30歳代あたりで契約する人が多いはずです。なぜなら、生命保険の最も代表的な使い方は、「夫が不慮の事故などで若くして亡くなったときに、残された家族の生活を維持するため」に使われるものだからです。

ということは、新規に契約をするなら、男性にとっては守るべき家族が出来たタイミングに契約をするのがベストということになります。結婚をするタイミングか、子供が生まれたタイミングですね。

実際には、子供がいない場合には必要性はあまり大きくありません。ということで、子供が生まれたら生命保険の契約をするというのが、最も合理的な判断だと思われます。

家族を守るという目的で保険に入るとなると、子供が生まれたあたりのタイミングで契約し、子供が大学に入るころまで契約を続けるという感じになるでしょうか。ですから、契約をするのは、20歳代後半から30歳代あたりが多くなると考えたわけです。

しかしながら、現実には、バランスよく各年代で契約者がいました。それに驚いたわけですね。

50歳以上の人が生命保険に入るのは何故?

50歳以上の人が生命保険に入るとしたら、2つくらいしか理由は考えられません。

50歳以上の人は医療保険の契約が多いのかも

一つは医療保険に入ることです。

医療保険というのは、入院に備えるための保険です。入院する可能性が高くなるこの時期に、医療保険に入っておこうと思う人がいても、不思議ではありません。

ちなみに、50歳以上の人は医療保険に入ったほうがいいというわけではありません。なぜなら、そもそも日本の公的な医療保険(健康保険や国民健康保険)は非常に充実いしているからです。公的な保険が充実しているので、生保会社の医療保険は要らないのです。

また、医療保険などの掛け捨て保険は、手数料が非常に高いという特徴があります。大雑把に言って、保険料の半分は手数料だと思っていいでしょう。

必要性が小さい保険で手数料が高いわけです。そんな保険は避けたほうが良いと考えるのが当然ですよね。

このあたりの詳しいポイントに関しては、別のページで考えましょう。

50歳以上だと相続対策で保険を使うことも

もう一つの可能性が、相続税対策として終身保険などの保険に入ることです。

相続税において、生命保険というのはかなり優遇されています。50歳代あたりになると、そういうことを意識する人が増えてくるのではないでしょうか。

具体的には、終身保険などを利用する人が増えそうです。終身保険というのは、契約を止めない限り、死ぬまで保障が続く保険ですね。つまり掛け捨てでない、絶対に死亡保険金がもらえるタイプの保険です。

年代別の新規契約構成比

このことを確認できる、便利な資料があります。年代別の新規契約の構成比のグラフが「生命保険の動向」に掲載されていました。ちょっと、引用してみましょう。

平成 25 年度 個人保険新契約の保険種類別構成比(年代別の件数ベース)

これを見ると、確かに終身保険の契約者の割合は多いようです。相続税対策で利用している人はいるようですね。

また、おそらく「その他」の中心は医療保険でしょう。ということは、医療保険に関しては、他の年代と比べて特に多いわけでは無さそうです。

もっとも、年齢が上がると医療保険は契約が難しくなります。既に大きい病気をしていたり高血圧の症状が見られたりすると、契約できないことが多いからです。

ということは、医療保険に入りたくても入れないという人も、意外と多いのかもしれません。

その意味では、かなりたくさんの人が医療保険に入っているのかもしれません。その他が全体の37.9%もいるので、内訳がどうなっているのかわかりませんけど。

50歳を過ぎてから定期保険に入る人が意外と多い

個人的に驚いたのが、50歳代で定期保険の新規契約をする人が意外と多いという点です。定期保険というのは、少ない保険料で大きな保障を得られるのが魅力です。ですから、若い人が利用するのに向いている保険のはずなのです。

逆に言うと、ある程度年齢が高い人には、定期保険に大きなメリットは無いように思われます。また、医療保険と同じ理由で、年齢が高いと契約が難しい事が多いです。

そうやって考えると、なんでこんなに利用者がいるのか、よくわかりません。

やっぱり理解に苦しむ

医療保険や相続対策のことを考えれば、50歳以上の人が生命保険に入っても不思議ではありません。ただ、全契約の3割を50歳以上の人が占めるというのは、やっぱり異常な気がしてなりません。

日本の生命保険って、ちょっと変わっていますね。必要のない保険に入って、せっせと保険会社に貢いでいるという印象すらあります。

それだけ生保会社のマーケティングや営業が頑張っているのでしょう。あるいは、契約者がカモられているかですね。こんなふうに書くと、ちょっと表現がキツいかな。

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