生命保険の被保険者とは| 養老保険や学資保険、個人年金保険の時にはちょっと意外な事に

生命保険において被保険者とは、次のような人のことをいいます。

生命保険では、その者の生死が保険事故とされている者。(大辞林)

ちょっと難しい言い回しですね。そこで、一つずつ説明していきましょう。

「保険事故」とは

まず、保険事故というのは、保険の対象となる事柄という意味です。

「その者の生死が保険事故とされている」と書かかれていますから、例えばAさんの死亡によって保険金が支払われるような場合、Aさんは被保険者と呼ばれます。これは分かりやすいですね。Aさんの「死」が保険事故という事です。

定期保険1 にしろ終身保険2 にしろ、被保険者が亡くなれば死亡保険が支払われます。一般的な生命保険のイメージはこれでしょう。

ちなみに、被保険者が死亡すると保険金が支払われるので、死亡保険と呼ばれます。

「生」が保険事故ってどういうことだ

ただ、「生死が保険事故」と書いていますから、被保険者の「生」、すなわち被保険者が生存の場合も保険事故になるケースがあるという事です。これってどういう事でしょうか。。生存が事故って、ちょっとイメージわきませんよね。

これは、例えば、個人年金保険を思い浮かべていただければわかりやすいですね。個人年金保険は被保険者が一定の年齢(例えば60歳など)まで生きていた時に年金という形でお金が支払われる保険です。

保険金が支払われるという事は、保険事故があったという事です。具体的にどんな保険事故かというと、被保険者が60歳まで生きるという事故があったという事ですね。

個人年金保険は、保険という名前がついていることからもわかると思いますが、もちろん保険の一種です。生きていると保険金が支払われるので、生存保険と呼ばれます。3

被保険者が生きていても亡くなっても保険金がもらえる保険も

また、生存の場合でも死亡の場合でも、保険金が支払われるケースもあります。つまり、被保険者の生存も死亡も、両方ともが保険事故というケースです。

例えば学資保険の場合は、一般的には父親が被保険者になります。子供の学費を準備する保険なのに、子供が被保険者になるわけでは無いのです。

これは何故かというと、父親が積み立ての途中で亡くなると、死亡保険金が支払われるという保険だからです。すなわち死亡保険という事ですね。

逆に、満期日まで父親が生きていると、死亡保険金と同額の満期保険金が支払われます。保険金が支払われるという事は生存が保険事故である生存保険という事ですね。

このように、父親の生死で保険金が支払われるので、父親が被保険者となるわけですね。また、これは生存保険でも死亡保険でもあるので、生死混合保険と呼ばれます。

簡単に言い直すと

ということで、被保険者を簡単な表現で書き直すと、次のようになります。

Aさんが死亡または一定の年齢まで生存した場合に保険金が支払われるとき、Aさんを被保険者という

一言でいうとこういうことですが、ちょっと分かりづらいですよね。知っている人ならもちろん分かるのですが、この単語を知らない人だと何が何やらという感じでしょうか。

分かりやすく説明したつもりですが、どの程度伝わったのかちょっと自信がありません。一般的な言葉とは定義が少し違うところがありますからね。

医療保険だとこの定義に合わない

さて、生命保険会社というと、医療保険も取り扱われています。生命保険会社が取り扱う医療保険というのは、入院すると保険金が支払われるという保険です。

それでは、医療保険での被保険者は誰になるのでしょうか。実は、医療保険の被保険者というのは、例えばBさんが入院すると保険金が支払われるという契約なら、Bさんという事になります。

でも、これって、ちょっとおかしいと思いませんか。生命保険の被保険者の定義によると、ある人の「生死」が保険事故だったはずですよね。しかし医療保険の場合は、誰かの死亡がきっかけではありませんし、誰かが一定の年齢まで生きることが保険事故でもありません。

医療保険においては、ある人が病気になるのが保険事故という事になってしまいます。これって、どういうことなのでしょうか。

実は、医療保険というのは、生命保険では無いのです。生命保険ではないので「生死」が保険事故とならなくても問題無いというのが正しい解釈です。

たまたま生命保険会社で扱っているというだけの話というわけですね。医療保険のように、生命保険でも損害保険でもない保険の事を第三分野保険といったりします。

まあ、この辺りはややこしいところですね。


  1. 例えば10年などの契約で決まった期間に被保険者が亡くなれば保険金が支払われる死亡保険 []
  2. 契約が続いている限り、被保険者が亡くなれば保険金が支払われる死亡保険 []
  3. 厳密に言うと、個人年金保険は生死混合保険に分類されるようですけどね。かりに保険料を払っている期間に亡くなっても、多少の死亡保険気がもらえるように設計されているからです。 []

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