金融庁も個人年金保険や養老保険は契約者に不利だと思っている

個人年金保険や養老保険などの貯蓄性の高い保険は、避けておいた方が良い。最近、金融庁が、こんな事を思っているようですね。「平成27事務年度 金融レポート 」の中で、多少遠回しな表現ですが書かれています。

このページでは、金融庁のレポートの中での指摘についてチェックしてみましょう。

なぜ貯蓄性の高い保険がダメなのか

さて、なぜ個人年金保険や養老保険がダメなのかというと、手数料が高いからです。

手数料が高いという事は、保険会社や代理店の取り分が多いという事です。これは、逆に言うと、私たち契約者にとっては不利という事ですね。

手数料が高いという証拠は、銀行からの情報で一時払い保険の手数料と投資信託を売った時の手数料を比較すると、明らかなようです。同じ額の商品なら、一時払い保険を売った場合の手数料の方が高くなるようですね。

銀行が売る一時払い保険というと、個人年金保険や養老保険です。まあ、これだけではありませんけど。

ということで、個人年金保険や養老保険の手数料が批判されていると考えて良いわけです。

ちなみに、手数料が割高なのは一時払いだけに限りません。たまたま一時払いの保険料と投資信託が比較しやすかったというだけですから、月払いの保険も同様だと考えた方が良いのです。

金融庁のレポートの中身は

さて、金融庁のレポートの中で、具体的には次のような表現で説明されています。

a) 貯蓄性保険商品

(前略)こうした中、銀行における金融商品別の手数料収益を見ると、販売額以上に、保険の占める比率が高く推移している。

この背景として、一時払い保険の販売手数料率が、投資信託等の金融商品と比べ、高めに設定されていることが挙げられる。特に、外貨建一時払い保険の手数料は、複雑な仕組みの商品販売が増えていることもあり、年々上昇傾向にある。

さすがに、「不利だから買ってはいけない」というような直接的な表現は使っていません。一応、金融機関が普通に売っている商品ですからね。

しかし、暗に、手数料が高いから買わない方が良いと匂わせているのは明らかですよね。「金融商品別の手数料収益を見ると、販売額以上に、保険の占める比率が高く推移して」という部分なんて、保険の手数料が高すぎるとしか読めません。

同じ貯蓄型の商品として投資信託と比較した場合、貯蓄型の生命保険の方が手数料が高いのです。そうだとしたら、手数料が安い投資信託を選んだ方が有利なのは明らかですよね。

銀行で売られている投資信託は、販売手数料が高いものが多いという印象

そもそも銀行で売られている投資信託だって、そんなに褒められた金融商品ではありません。販売手数料も信託報酬も、高めの投資信託が多い印象ですからね。

手数料が安いインデックスファンドなどは、仮に取り扱いがあっても、積極的に勧められることはありません。

これは、銀行がサイト内で発表されている投資信託の売れ筋ランキングのようなものを見ると分かります。あるいは、銀行の店頭に置かれている、投資信託のパンフレットを見ても分かります。本当に手数料が高いものが多いです。

自分の書いていることに嘘があってはいけないと思って、実際にみずほ銀行の投資信託のランキングをチェックしてみました。そうしたところ、「MHAM株式インデックスファンド225 」というインデックスファンドが3位にランクインしていました。インデックスファンドというのは、様々な指数に連動する、比較的手数料が安い投資信託です。この投資信託の場合は、日経平均に連動するタイプですね。

さすがに、10本中1本くらいは、手数料が安いインデックスファンドも入っているのかと思ったのですが、詳しく調べてみたら、案の定という結果であることがわかりました。というのも、この投資信託は、インデックスファンドであるにも関わらず販売手数料を取っているのです。また、信託報酬も他の日本株のインデックスファンドの倍以上取っている印象です。

手数料の安さがメリットのインデックスファンドでは、通常、販売手数料はとりません。そのインデックスファンドで販売手数料を取った上に信託報酬が割高って。

はっきり言って投資家にとっては悪い投資信託です。大事な事なのでもう一回書きますが、投資家にとって不利な、悪い投資信託です。

やっぱり銀行は、手数料の安い投資信託なんて売る気が無いのでしょうね。まあ、ネット銀行は違うのかもしれないですけど。

そして、手数料が高い銀行で扱う投資信託よりも、生命保険の手数料は高いのです。そりゃ、金融庁でなくても、積極的に買ってはいけないと思いますよね。

個人年金保険や養老保険は解約し辛いというデメリットも

個人年金保険や養老保険に限らず、貯蓄性のある生命保険は、契約の途中で解約すると解約返戻金というお金が支払われます。毎月あるいは一括で支払った保険料が、少し増えて戻ってくるイメージですね。

生命保険会社が定める予定利率が高い時期に契約している場合は、確かに、ある程度の期間たってからの解約では元本割れをすることはありませんでした。月払いでも一時払いでも、解約返戻金は支払った保険料よりも多かれ少なかれ増えているわけです。

しかし、予定利率が低い時期に契約した場合は、月払いだと、かなりの期間が経っていても元本割れをすることがあるのです。途中で解約しているから多少のペナルティは仕方が無いのですが、ちょっと酷い話ですよね。

このように途中で解約すると元本割れをする事があるので、多くの人は個人年金保険や養老保険の解約をためらってしまうようです。要するに、実質的に解約し辛くなっているわけですね。

この解約のし辛さは、明らかにデメリットと言って良いでしょう。例えば、保険を解約できなかったからカードローンでお金を借りるなんて、最悪の選択ですからね。

手数料が高い年金保険の中での、さらに問題な外貨建てってどれだけ酷いのでしょうか

ところで、上のレポートからの引用をみると、貯蓄型の生命保険の中でも、外貨建一時払い保険は手数料の上昇を特に指摘されています。

特に、外貨建一時払い保険の手数料は、複雑な仕組みの商品販売が増えていることもあり、年々上昇傾向にある

一時払いの終身保険や個人年金保険がこれに該当するのでしょうけどね。特筆するほど酷いのでしょうか。

おそらく、「複雑な仕組み」というのがキーワードなのでしょう。仕組みが複雑になると、他の保険との比較が簡単ではなくなります。よっぽど詳しい人でも、割高なのかどうか見抜くのが難しくなるのです。

もっとも、複雑にしてある時点で割高の可能性が高いような気がしますけどね。というのも、わざと分かりにくくすることで、色々ごまかしているとも考えられますから。

あ、あくまで憶測ですけどね。過去の例を見ると、そう思ってしまうところがね。悪名高い定期付終身保険とか。ありましたからね。

スポンサードリンク

専門家の意見を聞いてみよう!

生命保険や医療保険についてプロの意見を聞いてみませんか?保険マンモスなら、生命保険の無料相談が出来ます。

保険のプロが複数の保険会社の商品の中からベストの商品を紹介してもらえます。初めての保険選びと言う人も、保険の見直しと言う人も、試してみてください。

スポンサードリンク


タグ: ,

関連した記事を読む

コメントは受け付けていません。