養老保険の契約者数が増加| 低金利の時期に養老保険に入るメリットって何だ?

このサイトの過去の記事を振り返っていたら、2012年11月21日に「養老保険の比率が増加」という記事を書いていたみたいです。どんな内容かというと、だいたい、次のような内容です。1

生命保険の全契約の中で、養老保険が占める割合が増加している。しかし歴史的な低金利のこの時期に、固定金利の養老保険が増えるというのは大変不思議である。

あれから5年たち、現在どうなっているかというと、当時よりもさらに低金利になっていますからね。養老保険の契約者数は、いったいどうなっているのでしょうか。

契約者数は毎年増加

もう、結果から見てしまいましょう。

生命保険の動向2017年版という生命保険協会の資料によると、平成24年から養老保険の保有契約件数は、毎年増加しています。具体的な数字は、以下の通りです。

  • 平成24年度:1,160万件
  • 平成25年度:1,238万件
  • 平成26年度:1,284万件
  • 平成27年度:1,341万件
  • 平成28年度:1,389万件
  • という事で、2012年に意外と感じた傾向が、2016年(平成28年)までは続いたという事ですね。2012年当時以上に不思議な状況です。

    ちなみに、保有契約件数というのは、年度末時点で契約が続いているものの総数の事です。以前からの契約も含めて、これだけ残っていますという数の事ですね。

    さて、ここからは、そもそも養老保険がどんな保険なのかをもう一度確認した上で、何で現在の状況が変なのか説明しましょう。

    一緒に共感してください。

    養老保険ってどんな保険?

    養老保険というのは、貯蓄型の生命保険です。一時払いといって一括で保険料を払う事も可能ですが、毎月保険料を払って積立てていくことも出来ます。

    養老保険には満期があり、満期を迎えると満期保険金が支払われます。しかし、満期までに被保険者が亡くなってしまう事もあり得ます。

    こういう場合はどうなるかというと、満期保険金と同額の死亡保険金がもらえるのです。つまり、満期を迎えるまで被保険者が生きていても、それまでに被保険者が亡くなっても、同額の保険金がもらえる保険だという事です。

    まさに、貯蓄のための保険という感じですね。

    ちなみに、養老保険の満期保険金は、契約した段階で決まっています。一般に、保険料が同じなら、養老保険の満期保険金は市場金利が高い時期に契約した場合は大きくなります。逆に、市場金利が低い時期に契約した場合は小さくなる傾向があります。

    これは、養老保険の満期保険金は、予定利率という契約時点で決まる金利を使って計算されるからです。市場金利が高い時期には、予定利率も高くなるわけですね。金利が高くなれば、支払った保険料に対して保険金が高くなるというわけです。

    ということは、養老保険は、市場金利が高い時期に契約すると有利ということです。逆に、ここ数年のように、市場金利が低い時期に契約するのは不利という事が言えるわけです。

    ここ最近は市場金利が低く、明らかに養老保険にとって不利な時期です。予定利率が引き下げられたというニュースも目にしました。

    それにもかかわらず保有契約件数が増えているわけです。ですから、非常に不思議な感じがしたわけですね。

    契約している数が凄いですね

    保有契約件数が増えているのも驚きですが、保有契約件数の数字自体にも驚かされますね。

    平成28年の1,389万件というのは、日本人の10人に1人以上、一割以上が養老保険に入っている計算になるからです。日本人の人口は、1億2000万円くらいですからね。

    もちろん一人で複数の保険に入っているケースもあるでしょう。それでも、複数の養老保険に入っている人は、そんなに多くないでしょうからね。契約者数でみても、日本人の1割というのは間違った表現ではないと思います。

    数字を確認した時、思わず「え、そんなにたくさん」となりました。個人的には、養老保険に金融商品としては何のメリットも感じられていないからでしょうか。

    金利が低い時期には株式が有利

    金融商品としてみた場合、今の時期に養老保険に入るデメリットがあります。それは何かというと、期間が短い契約の場合は元本割れをする可能性が大きいという事です。途中で解約した場合も、解約返戻金が元本割れをする確率が大きいでしょうね。

    資産運用のための商品なのに、元本割れをする可能性があるのです。これは明らかなデメリットですよね。

    では何が良いかというと、金利が低い時期には株式が有利とされています。一般的には、金利が下がると株価が上がるという関係があるからです。

    ということは、固定金利型の養老保険が不利というだけでなく、他に優れた金融商品があるわけですね。そんな状況で敢えて不利な養老保険の契約をするって、どういう事なのでしょうか。やっぱり不思議です。

    相続税の基礎控除額の引き下げが原因か?

    ここ数年で養老保険の保有契約件数が増えている理由の一つは、もしかしたら、相続税の基礎控除額が平成27年1月から引き下げられたことが影響しているのかもしれません。

    基礎控除が引き下げられたというのは、簡単に言うと、以前なら相続税の支払いが発生しなかった人でも相続税の支払いが必要になるというケースがあるという事です。

    これに対処する方法の一つが、養老保険に入る事です。生命保険の死亡保険金には、相続税の非課税枠があります。この非課税枠を上手に活用すれば、相続税の基礎控除額が下がっても、相続税の納付を回避できるケースがあるのです。

    あるいは、相続税を完全にゼロにすることが出来なくても、相続税の納税額を減額することは可能です。こうした節税対策として養老保険に入った人は、少なからずいることでしょう。

    まあ、これだけで説明できるとは思いませんけどね。なにせ、ここ何年かで養老保険が急に増えたわけでは無いですから。養老保険の保有契約者数が増えたのは、ここ10年くらいの傾向です。


    1. 養老保険の比率が増加│ なぜこんな事が起きるのでしょうか? []

    スポンサードリンク

    専門家の意見を聞いてみよう!

    生命保険や医療保険についてプロの意見を聞いてみませんか?保険マンモスなら、生命保険の無料相談が出来ます。

    保険のプロが複数の保険会社の商品の中からベストの商品を紹介してもらえます。初めての保険選びと言う人も、保険の見直しと言う人も、試してみてください。

    スポンサードリンク


    タグ: ,

    関連した記事を読む

    コメントは受け付けていません。