子供がいない夫婦だけの世帯では、死亡保険(=誰かが亡くなると保険金が支払われる保険)は必要なのでしょうか。ちょっと考えてみましょう。
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夫婦だけの子供がいない世帯では死亡保険は必要か
生命保険の死亡保険が必要かどうかは、誰かが亡くなった時に経済的に困る人がいるかどうかで決まります。経済的に困る時に、初めて死亡保険について考えればいいのです。
例えば、別のページに書いたように、独身の場合は生命保険に入る必要がありません。その人が亡くなっても、経済的に困る人がいないからです。
それでは、独身よりも世帯の人数が増やしたケースを考えてみましょう。夫婦だけの子供がいない世帯では、生命保険の死亡保険が必要なのでしょうか。
世帯の人数が2人になると、何が違うのか
繰り返しますが、死亡保険に入るかどうかの判断は、誰かが亡くなった時に残された家族が経済的に困るかどうかできまります。ということは、夫が亡くなったケースと、妻が亡くなったケースの、それぞれで残されが側が困るかどうかを考える必要があります。
妻が亡くなっても夫は困らない事が多い
一般的には一家の稼ぎ頭は夫でしょう。ということは、妻が亡くなっても、残された夫は経済的に困ることはありません。
仮に妻と夫の稼ぎが同じくらいでも、妻の死後、夫が一人で生活していくのは難しくないはずです。ということで、夫が普通に働いているのなら、妻の死亡に備えた保険に入る必要はありません。
専業主婦でなければ夫の死亡にも対処できるはず
それでは逆のケースはどうでしょうか。夫が亡くなった時に妻が困るのでしょうか。
夫が亡くなるようなことがあっても、現段階で妻がフルタイムで働いている場合は、それ程問題がありません。夫の死後も、継続して仕事をすれば良いからです。
もちろん、現在の生活水準を維持するのは難しいでしょうけどね。暮らしていけない程の苦境ということも無いでしょう。
現在パートタイムで働いている場合は、フルタイムの仕事に変える必要はあるかもしれませんけどね。まあ、そういうケースでも、何とか対応は可能でしょう。
というのも、子供がいないケースでも遺族厚生年金は受給できるからです。また、夫が亡くなる前に会社員をしていた場合は、妻の年齢によっては、中高齢寡婦加算という上乗せ給付もあります。
こういう制度を利用すれば、十分に対処できる可能性が大きいはずです。どうしても心配なら、数百万円程度の死亡保険に入ってもいいかもしれませんけどね。その程度で十分です。
専業主婦の場合は少し大変
問題になるケースは、妻が専業主婦のケースです。妻が専業主婦の場合、夫が亡くなると残された妻は生活に困るはずですよね。
遺族厚生年金と中高齢寡婦加算が貰える可能性がありますが、それだけでは生活することはムズ開始はずです。ですから、妻の生活が困らないように、生命保険に入って準備をする事も考えないといけないでしょう。
さすがに、夫が亡くなるという緊急事態ですから。専業主婦だった妻も働き始めるはずです。ただ、すぐに働けるわけでもありませんから、ある程度のお金は準備した方が良さそうですね。ここで、生命保険に出番があるかもしれません。
ここからは、妻が専業主婦であるケースに絞って、もう少し詳しく考えてみましょう。
夫が亡くなった後に妻が働くかどうかがポイント
妻が専業主婦の場合、夫の死後に妻が働くかどうかが保険選びのポイントになります。万が一の時には妻が働くと考えている場合、準備する額はそれ程必要ありません。
まあ、一般的には、夫が若くして亡くなるのはかなりの非常事態です。健康的な理由でもあれば別ですが、通常は専業主婦だった妻も働き始めるでしょう。
もちろん、働かなくて済むような遺産が有るのなら、話は別です。ただ、そういうケースだと、生命保険に入ることなんて考えないでしょうしね。
夫の死後に妻が働く場合
健康でさえあれば、大人1人が自分の生活費分を稼ぐのは、それほど難しいことではありません。遺族厚生年金や中高齢寡婦加算などの公的年金の給付も期待できます。
ですから、残された妻が新しい生活をスタートするのに必要な額だけを準備しておけば十分でしょう。具体的には、就職先を探すまでの期間の生活費が必要でしょうか。あとは、引っ越しの費用なども必要になってくるでしょう。
この程度のお金が準備できていれば、十分に対処出来るはずです。この場合、必要な額は数百万円くらいといったところでしょうか。妻一人の生活費なら、そこまで大きい額は要らないでしょう。
そして、このくらいの額なら、わざわざ生命保険で準備する必要もないでしょう。頑張って貯金しましょう。
どうしても準備できないということであれば、掛け捨ての死亡保険である定期保険を利用するといいでしょう。保険金額は500万円もあれば十分です。
妻が働かないケース
生命保険が必要なのは、妻が働かないケースです。
健康上の理由などで、妻が働きたくても働けないケースもあるでしょう。仮に働けても、生活費を全て稼ぐのは難しいというようなことも考えられます。
あるいは、ずっと専業主婦をやってきて、今から働き始めるのは難しいというケースも有るでしょうね。
例えば、55歳まで専業主婦をやっていた人に、いきなり働けと言うのはちょっと酷です。あと10年しのげば老齢年金も入ってきますし。
こういうケースでは、ある程度の死亡保険を準備する必要はあります。逆に言うと、子供のいない夫婦で生命保険が必要なのは、こういうケースに限られるということです。常識的に考えれば、要らないケースがほとんどです。
万が一のときに贅沢をしようと思うのは本末転倒
このページでは、夫に万が一の事があった場合は、基本的には夫の死後は妻は働くものだという前提で考えてきました。夫が亡くなるような非常事態ですから、そうするのが自然だと思うからです。
でも、生命保険関連の書籍などを読んでいると、こういうケースでも妻が専業主婦を続けるという前提で書かれている事が珍しくありません。あるいは、パートタイムの仕事を続けるという前提で保険の計算をしていたりします。そして、実際の保険の営業も、こういう前提で提案をしてくるようです。
でもこれって、要するに、夫が亡くなるような事があっても現在の暮らしを維持するという前提ですよね。さすがにこの考え方はおかしいでしょう。
もちろん、生命保険の保険料が非常に安いもので、現在の生活に全く影響がないのなら、保険を利用して対処してもいいでしょう。でも、残念なことに、生命保険の保険料はそこまで安いものではありません。
といことは、保険を使って現在の生活を維持しようと考えるプランは、万が一の時にも全く同じ生活を維持するために現在の支出を切り詰めているとも言えるわけです。あるいは、貯金をしないで、万が一の時の贅沢のために保険を買っているとも言えます。これって、本末転倒ですよね。
確率的に考えると、夫が若くして亡くなる確率よりも、夫婦で老後を迎える可能性の方が遥かに大きいです。しかも妻が働けば、金銭的な問題は解決可能なはずです。
そうであるのなら、より確率が高い老後の暮らしのためにお金を貯める方が合理的でしょう。
以上のように考えると、夫婦だけの世帯の場合で妻が健康なら、生命保険にお金を使うのはおすすめできません。保険料の分だけ貯蓄にお金をまわしましょう。
それが賢い選択です。仮に保険に入るにしても、死亡保険は抑え目にしておくのがポイントです。
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