1人当たりの医療費が高い都道府県は?

突然ですが、問題です。

次の4つの都道府県のうち、1人当たりの医療費が一番高いのはどこでしょうか。
a.東京都 b.静岡県 c.高知県 d.北海道

実は、都道府県によって、1人当たりの医療費はかなり違うようなのです。どの程度違うのか、ちょっと確認してみましょう。

一番医療費がかかっているのは高知県

早速ですが、上の問題の正解です。

実は上の4都道県のなかで、1人当たりの医療費が最も高いのは「c」の高知県です。厚生労働省の「平成28年度 国民医療費の概要」というドキュメントにしっかり書かれています。

これは、かなり意外に思った人が多いのではないでしょうか。

所得も多く、病院も多いイメージがある東京がトップだと思った人は多いはずです。お金が有って近くに病院が有れば、比較的気軽に行けますからね。

私自身、東京の人は意外と気軽に大学病院などの大きな病院に行く、というイメージがありました。ですから、この結果を知った時に、かなり意外に感じました。

高知県民は東京都民の約1.5倍の医療費

ちなみに、高知県の医療費は、1人当たり年間44万200円もかかっています。他の3都道府県ですが、北海道の39万1300円、東京都の30万4300円、静岡県の30万8000円となっています。

静岡県や東京都の1人あたりの医療費から見ると、高知県の医療費は約1.5倍もかかっているのです。高知県民って、体が弱いのでしょうか。

ちなみに、高知県は、すべての都道府県の中でトップです。

逆に、東京都民の1人当たりの医療費は、むしろ安い方みたいですね。全国平均が33万2000円と言う事ですから。

九州・四国の医療費が高く、南関東の医療費が低い

ちなみに1人当たりの医療費は、大きい順に3つ挙げると、高知県(44万200円)、長崎県(41万200円)、鹿児島県(40万4500円)となっています。高知県は2位の長崎県と比べても年間3万円も高いようです。

不思議な事に、西日本の件が上位にきています。特に、九州と四国は医療費が高いようですね。上の3県以外も、軒並み平均を上回っていました。

逆に1人当たり医療費が小さい都道府県を上から3つ挙げると、埼玉県(29万1500円)、千葉県(29万3,500円)、神奈川県(29万7,100円)となっています。東京都も含めて、南関東の人は医療費がかかっていないようですね。1

健康保険の負担も含めた医療費の総額です

ちなみに1人当たりの医療費というのは、当然ですが、患者の自己負担分という意味ではありません。

平均で1人に40万円もかかっていたら、5人家族なら年間200万円の自己負担になってしまいますからね。多くの家庭では、たちまち破産してしまいます。

健康保険の負担分なども含めた、1人当たりの年間の医療費の総額だと理解してください。本人の負担は、これよりかなり少なくなっています。

ちなみに、ここで挙げた医療費は、正確には厚生労働省の統計にある「国民医療費」と呼ばれる数字です。診療にかかった費用だけでなく、「薬局調剤医療費」「入院時食事・生活医療費」「訪問看護医療」などが含まれるそうです。

さらに詳しい定義は、厚生労働省のサイトを参考にしてください。

病床数が多いと医療費がかかる

実は、こうした1人当たりの医療費は、病床の数と相関があると言われています。病床というのは、入院のベッドの数の事ですね。

例えば、朝日新聞によると、2015年の高知県の病床数は、10万人あたり約2700有るのだそうです。これは全国平均の約2倍で、神奈川県の約3倍の数字です。2

これは、次のように考えるのが妥当でしょう。

病院にとっては、入院患者を増やした方が売り上げは大きくなります。ということは、ベッドの数が多ければ、必ずしも入院が必要でなくても入院させてしまおうというインセンティブが働くでしょう。

その結果、1人当たりの医療費がトップと言う結果につながっているわけです。

もちろん、単純にこれだけが原因とは言えないでしょうけどね。1人当たり医療費が高い高知県で病床数が多く、医療費が低い神奈川県で病床数が少なければ、そういう傾向があると考えざるを得ないでしょう。

医療費が大きな問題である事が分かる

それにしても、この数字を見ると、医療費が国の大問題であることが良く分かります。というのも、1人当たりの医療費が平均で30万円以上かかっているわけですからね。

1人当たり30万円のかなりの部分が、実際には健康保険などの公的な医療保険から支払われているわけです。でも、このお金は、現役世代が保険料として負担しているものが中心です。

ということは、これ以上医療費が増えると、現役世代の負担がさらに重くなることになってしまいます。

しかしながら、高齢化が進めば、医療費の負担はさらに増えるはずです。長期的にしっかりと考えないといけない問題であることがわかります。


  1. 平成28年度 国民医療費の概況 []
  2. 増える医療費、どう抑える 「医療とコスト」を考える
    朝日新聞デジタル 2017年9月18日14時00分 []

スポンサードリンク

専門家の意見を聞いてみよう!

生命保険や医療保険についてプロの意見を聞いてみませんか?保険マンモスなら、生命保険の無料相談が出来ます。

保険のプロが複数の保険会社の商品の中からベストの商品を紹介してもらえます。初めての保険選びと言う人も、保険の見直しと言う人も、試してみてください。

スポンサードリンク


関連した記事を読む

コメントは受け付けていません。