例えば1年間厚生年金に入ったとします。将来、厚生年金はもらえるのでしょうか。もらえるとしたら、年金額はいくらになるでしょうか。
ここでは、月収が20万円、30万円、40万円として計算してみましょう。1年だけの加入でも、多少なりとも生活の足しになるのでしょうか。
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短い期間厚生年金に入った場合でも年金はもらえるの?
日本の場合、終身雇用に近い人が多いでしょう。ですから、厚生年金に入る場合は、数十年間加入することになるのが一般的です。
しかし人によっては、ごく短期間だけ厚生年金に入るという人もいるでしょう。
例えば、大学を卒業して会社に入った。しかし、2年で辞めて起業した。こんなケースは十分にありそうですよね。大卒の新卒で入った場合は、通常は、厚生年金に入ることになりますからね。
あるいは、基本的にはパートタイムの仕事をしていたが、勤め先の会社に頼まれて、1年半だけフルタイムで働いた。こんなケースもあるかもしれません。この1年半だけは、厚生年金に入ったわけです。
さらには、過去に1年間だけ海外で生活していた為に、国民年金の保険料を納付したのが39年しか無かった。満額の老齢基礎年金(国民年金の老齢年金)を貰うために、60歳を過ぎてから1年間だけ国民年金に入った。こんなパターンもないことはありません。
特殊なケースが多いとは言え、短期間だけ厚生年金に入るというのは、十分に有り得る話です。
さて、こんなふうに短い期間だけ会社で働いた場合でも、厚生年金はもらえるのでしょうか。
入っていたのが1ヶ月でももらえます
実は、こんなケースでも、老齢厚生年金はもらえるんです。1か月だけしか入っていなくてももらえます。金額はたいしたことはないですけどね。
ただし、老齢基礎年金の受給要件は満たしている必要があります。老齢基礎年金というのは、国民年金の老齢年金のことですね。
現在のルールだと、10年以上保険料を納めている必要があります。10年以上というのは、合計で120回(= 10年 × 12か月)以上、国民年金か厚生年金の保険料を納付しているという意味です。
まあ、普通の人なら、この条件は満たすでしょう。年金は破綻すると思い込んで、保険料の納付を拒否しているような人は別でしょうけど。
金額はいくらなのだろうか
さて、それでは、仮に1年だけ厚生年金に入ったような場合、もらえる年金はどの程度なのでしょうか。
さすがに1年だけだと、たいした額は期待できません。それは言われるまでもなく分かっているでしょう。
それでも、多少なりとも生活の足しになれば、入った意味もありますよね。
とはいえ、率直に言って、将来の年金額を確定するのは難しい作業です。まだ若い人の場合は特に難しいと言わざるを得ません。というのも、将来の経済状態や人口動態によって、給付される年金の水準が今とは違うからです。
現在の基準で考えると
それでも、現在の基準で考えていくら貰えるかなら計算する事が出来ます。仮に会社員時代の月給が20万円、賞与が無し、1年間厚生年金の被保険者だった場合、もらえる年金は約1.4万円です。
あ、1.4万円は年額です。まあ、1年だけなので微々たるものです。
年金額は給料に比例します。ということは、月給が30万円だったら年2.1万円もらえますし、40万円だったら年2.8万円もらえます。
また、加入期間にも比例します。すなわち、月収が20万円で2年働けば年2.8万円、3年働けば年4.2万円もらえるといった感じです。
これらの金額が、老齢基礎年金に上乗せされるわけですね。まあ、微々たる金額ではありますが、ないよりはマシくらいの価値はありそうです。
保険料との差し引きで考えるとどうだろう?
ちなみに、厚生年金に入っている期間は、その間は厚生年金の保険料を払うことになります。一般的に、厚生年金の保険料の方が、国民年金の保険料よりも大きいと考えられます。
となると、将来もらえる年金は、増加する保険料と見合ったものなのでしょうか。
今まで国民年金の保険料を払っていた人ならお得
月給が20万円の場合、1か月の厚生年金の保険料は約1.8万円です。これに対して、国民年金の保険料は約1.6万円です。
ということは、国民年金の保険料を払っていた人が1年間だけ厚生年金に入った場合、1年間で約2.4万円だけ負担が増えることになります。
もらえる老齢厚生年金の額が1.4万円であることを考えると、2年かからずに元を取れる計算ですね。
今まで国民年金の保険料を払っていなかった場合は微妙
ただ、もともと国民年金の第3号被保険者だった場合は、トータルで赤字になるかもしれません。第3号被保険者というのは、厚生年金に入っている人に扶養される配偶者のことですね。
この人は第3号被保険者の期間は保険料を納めなくていいので、厚生年金の保険料の全額が負担増になります。ということは、約1.8万円を12か月分ということで、約21.6万円の負担増ということになるわけです。
毎年約1.4万円の給付増があるとすると、もとを取るのに15年以上かかる計算ですね。65歳からの平均余命で考えると、ギリギリ元が取れるかどうかという感じになりそうです。まあ、確率的には、有利とも不利とも言えないというくらいでしょうか。
厚生年金にはその他のメリットもありますから、厚生年金に入ったほうがいいとは思いますけどね。ぜひ入るべきという程でも無さそうです。微妙。
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