国民年金には保険料納付免除期間、保険料納付猶予期間、学生の納付特例期間といった仕組みがあります。一定の条件を満たす人は、手続きをすると、保険料の納付をしなくても催促されなくなるのです。
さて、これらの納付猶予期間や納付免除期間には、具体的にどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。特に、学生の納付特例期間と納付猶予期間にはなにか意味があるのでしょうか。
基本的ですが重要な部分ですので、確認してみましょう。
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納付免除や納付猶予は役に立つの?
国民年金には、保険料の免除や猶予の手続きがあります。所得が低いなどの理由で、国民年金の保険料が払えない人は、保険料の納付の猶予や免除の措置が有るのです。
具体的には、保険料免除期間、保険料猶予期間、学生の保険料特例期間というのがあります。一定の条件を満たす人は、保険料の納付をしなくても催促されなくなります。
ちなみに、保険料納付を猶予や免除されるということは、自分で保険料を納める事を前提としていますね。ですから、国民年金の第1号被保険者に限った話ということですね。
手続きをするとどんなメリット・デメリットがある?
公的年金制度に関しては、私自身は一応一通り勉強したので、この納付猶予や納付免除がどんな制度なのか把握しています。ですから、この手続を取るとどんな点で有利なのかは把握しています。あるいは、不利な点があるのも知っています。
でも、制度のことをよく知らない人が納付猶予とか納付免除と聞くと、どんなことを想像するのでしょうか。なにかすごい大きなメリットがあると思ってしまうような気がします。少なくとも、不利益があることなんて、想像しない人が多いでしょう。
納付猶予や納付免除に、具体的にどんなメリット・デメリットがあるのか
実は、納付免除と納付猶予では、得られるメリットがだいぶ違います。
納付免除はそれなりのメリットがある
まず納付免除ですが、納付免除にはそれなりのメリットがあります。具体的には次のようなメリットがあります。
- 保険料を収めなくても保険料納付月数にカウントされる
- 手続きをしていない場合より将来の老齢基礎年金の額が大きくなる
保険料納付月数に反映されるのはメリット?
まず、「保険料納付月数」に関して。
国民年金の老後の年金である老齢基礎年金は、10年以上の保険料の納付が無いと受け取ることが出来ません。公的年金は月単位で考えるので、120か月(=10年)分の国民年金か厚生年金の保険料を払っていないと、老齢年金がもらえないわけですね。
ただ、国民年金の保険料は20歳から60歳まで納めることになっています。つまり、40年のうちの10年分納めていれば、年金はもらえるわけです。
その意味では、短い期間が納付月数にカウントされなくても、大した問題では無いでしょう。ということは、この部分に関しては、大きなメリットとは言えないわけです。
まあ、保険料納付月数に関しては、老齢年金以外の部分で関係があるんですけどね。このあたりは後述します。
手続きをしない場合より年金額は増える
次に、老齢基礎年金の受給額についてです。納付免除の場合は、手続きをすることで、老齢基礎年金の受給額が増えるのです。
老齢基礎年金の受給額は、原則として、保険料を納付した月数に比例します。40年分全て納付すると満額の年金がもらえますが、納付していない期間があると減額されるのです。
例えば、480か月(40年)のうちの400か月しか納付して無ければ、満額の480分の400しか年金がもらえません。2割近く減ってしまうわけです。
しかし、納付免除の場合は、納付していない場合よりは有利な取り扱いを受けるのです。1か月分普通に納付した場合よりは金額は小さくなりますが、それでも保険料を納付していない場合よりは年金の給付額が大きくなります。
具体的には、納付免除を受けている期間は、0.5か月分とか0.75か月分とかで計算されるわけです。
といことは、この点に関しては、メリットともデメリットとも言えるわけです。
全く手続きをしないことに比べれば、年金がもらえるのはメリットです。でも、普通に納めている人と比べると減額があるのはデメリットですよね。
納付猶予の場合はメリットがあまりない
次に、保険料の納付猶予の場合です。学生の納付特例制度も同様だと考えてください。
納付猶予の手続きをした場合のメリットは、実は1つしかありません。
- 保険料を収めなくても保険料納付月数にカウントされる
これだけです。しかも、上に書いたように、老齢基礎年金の受給ということに限れば、これはほとんどメリットにならないと考えられます。
障害年金や遺族年金では重要になるかも
このように、老齢年金の受給という意味では、「猶予期間」はあまり意味がありません。手続きをしてもしなくても、もらえる年金に違いが無いわけです。
しかし、障害年金や遺族年金といった部分に注目をすると、かなり意味があるのです。
障害年金を使えるようにするためにも手続きを
というのも、遺族基礎年金、遺族厚生年金、障害基礎年金、障害厚生年金の各年金には、保険料納付済期間に関する要件があるのです。
障害年金や遺族年金をもらうには、原則として、加入期間の3分の2以上の納付済期間が必要なのです。そして、猶予期間は納付済期間としてカウントされます。
仮に20歳の大学生が1級または2級の身体障害者になったとしましょう。納付猶予の手続きをするか実際に毎月納付していれば、この学生は障害基礎年金をもらえます。しかも、生涯に渡ってもらえるはずです。
しかし、納付猶予の手続きを怠ると、この障害基礎年金がもらえないのです。手続きをサボっている期間に事故にあい、その結果として障害者になっても、年金はもらえません。
1日の手続きの遅れでもらえないというケースだって、可能性としては無いわけでは無いでしょう。
手続きだけはしておくべきです
はっきり言って、大学生が障害年金をもらえるような生涯を負う可能性は、とても小さいですよ。でも、万が一の事が起こった時に、対応できるようにしておいた方が良いのは間違い無でしょう。
しかも、役所に行って手続きをするだけですからね。やらない理由は無いはずです。
ということで、万が一に備えるという意味でも、年金の保険料を払う気がないなら、手続きだけでもしておきましょう。
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