夫が定年退職した後の妻の国民年金保険料はどうなる?

夫が会社員で、妻が専業主婦またはパートタイムの仕事をしているという家庭は珍しくありません。妻の稼ぎにもよりますが、こういう家庭では、妻は国民年金の第3号被保険者であることが多いでしょう。第3号被保険者と言うのは、国民年金を納める必要が無い人の事です。

さて、こういう家庭で夫が定年退職したとします。こんなケースでは、妻の国民根金の取り扱はどうなるのでしょうか。

夫が定年退職したら妻の年金保険料はどうなる?

夫Aさんが59歳で妻Bさんが56歳という夫婦がいたとします。夫Aさんは現在会社員であるとしましょう。

もし妻が、専業主婦、あるいはパートタイムで働いている場合は、妻は国民年金の第3号被保険者になっている可能性が大きいでしょう。第3号被保険者というのは、第2号被保険者(厚生年金の被保険者、多くは会社員)に扶養されている配偶者(一般的には妻、夫の場合もある)の事です。

この条件にあてはまる場合、妻には国民年金の保険料納付の必要はありません。ただ、年金の保険料を払っている第1号被保険者や第2号被保険者と同じように、65歳から老齢基礎年金を受け取ることが出来ます。

夫が60歳で定年したらどうなる?

夫が60歳以降も今までのように働く場合は、年金に関しては、この夫婦には大きな変化はありません。夫は引き続き厚生年金の被保険者ですし、妻は第3号被保険者のままです。妻が60歳になるか夫が会社を辞めるまでは現状のままです。

しかし、例えば夫が60歳で定年退職すると、ちょっと困ったことが起きます。夫は第2号被保険者ではなくなるので、妻も第3号保険者ではいられなくなるのです。妻が第3号被保険者でいるためには、夫が第2号被保険者であることが必須ですからね。

この場合はどうするかというと、市区町村の役所に行って種別変更届というのを出さないといけません。種別変更届を出すと、妻が第1号被保険者になったものと市区町村に認識され、以降は妻の分の国民年金の保険料を納付するようになるという流れです。

保険料を納付しないとどうなるか

それでは、この手続をしない場合はどうなるのでしょうか。この場合、一般的には、妻が受け取る老齢基礎年金の額が小さくなると考えられます。

条件によっては、年金額が変わらないケースがないわけではありません。例えば、妻が高校卒業してすぐに働いているようなケースでは、20歳になるまでの1年数か月間は保険料を納付したものとみなされるはずです。

ただ、一般的には、額が減ると思っておいた方がいいでしょう。

具体的にどのくらい年金額が減る?

具体的にどのくらい受給額が減るかと言うと、1か月納付しないごとに480分の1引かれていきます。

480というのは、20歳から60歳まで国民年金の保険料を払った場合の月数ですね。国民年金の保険料は、国民年金の保険料を納めた月数に比例するのが原則なので、納付しない次があると、その分給付が減るわけです。

例えば、1年間まるごと納付しないと、本来もらえる金額の40分の39になります。年間で2万円程度、給付が減らされる感じになるわけですね。

納付するのが義務です

ちなみに第1号被保険者になった場合、国民年金の保険料は払わないといけないものです。義務です。

妻自身に収入が無い場合は、現状では取り立てまではされません。ただ、ルール違反だという事は覚えておいた方がいいでしょう。

障害基礎年金が受給できなくなるかも

更に影響が大きいのが、納付しないことによって万が一障害者になった時に、遺族基礎年金が受給できない可能性がある事です。というのも、保険料の納付をサボると遺族基礎年金の要件に引っかかることがあるのです。

具体的には、遺族基礎年金に関しては、次のような要件があります。

初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること1

常識的に考えると、50歳台で主婦をやっていた人は、人生のかなりの期間で第3号被保険者であったと考えられます。ということは、50歳台になってからの数年間保険料を払わなくても、3分の2の要件は満たしている可能性が大きいでしょう。

ですから、あまり問題になるケースは多くないと思いますけどね。一応、こういうパターンも考えられます。

免除の仕組みが使えることも

ちなみに、退職による特例免除という仕組みがあります。お金が無くて保険料を納められないという場合は、市町村役場に言って相談してみるといいでしょう。

ただ、この手続をしても保険料を全額払ったことにはなりません。ただ、年金額の計算上は、黙って保険料を払わないケースよりは減額が小さくなります。具体的には、減額が半分になります。

ルール違反をしているという後ろめたさも無くなりますからね。おすすめです。


  1. 障害年金| 日本年金機構 []

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