生命保険協会の調査によると、変額個人年金の新規契約は大幅に減っているようです。かなり急激に契約を減らしている印象です。
いったい何があったのでしょうか。ちょっと考えてみたいと思います。
まず、具体的にどの程度契約が落ちているのか見るために、個人年金保険の中の変額年金保険の割合をみてみましょう。
直近の契約状況ですが、平成23年度の契約を見ると、個人年金保険における変額年金保険の割合はわずか4.9%しかありません。残りの95.1%は定額個人年金保険の契約です。
変額個人年金の契約の方が少ないのはわかっていた人もいらっしゃるでしょう。ただ、ここまで差があるのには驚いた方も多いでしょう。
しかし、現在生きている全契約を見ると、少し事情は違います。個人年金保険における変額年金保険のシェアが17.4%もあるのです。つまり、平成23年の数字は比率として3分の1以下にまで減らしているわけです。急激に契約者が減っている事がわかります。
ちなみに、数年前の変額年金保険の契約状況はどうだったかというと、平成20年の変額年金保険の契約の個人年金保険全体に占める割合は37%もありました。つまり、わずか3年で七分の一にまで契約が減っている事がわかります。
契約件数で見ても、平成20年には約52万件あった契約が、8万件を切るまでに減っています。かなり悲惨な数字と考えて良さそうです。
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定額個人年金より変額年金保険の契約をする方が理にかなっている
現在は低金利の状況が続いています。具体的に言うと、長期金利が1%前後で推移しているのが現状です。これ以上下げるのが難しいような水準で、何年も推移していると考えていいでしょう。
こういう低金利の時期には、固定金利の金融商品は選ぶべきではありません。なぜかと言うと、将来金利上昇があっても固定金利だとその恩恵にあずかれないからです。ずっと低い金利のまま我慢しないといけないわけですね。
ですから、今のような時期には、変額年金保険を選ぶ事こそ理にかなうわけです。ただ、実際の契約状況は全く逆になっているわけですね。消費者の行動は、全く合理性を欠いているように見えます。
元本割れを恐れる気持ちが影響しているのか?
変額年金保険が選ばれにくい理由は、日本人の元本割れ嫌いが影響してるのでしょう。
変額年金保険は、金融商品としてみると、投資信託に近い商品です。ですから、当然ですが、元本割れの可能性もゼロではありません。
一方で、生命保険を嗜好するような人は、リスクに対して保守的な考え方を持っている人が多そうです。元本割れを嫌う傾向が特に強そうに思います。
これが定額年金保険に比べ変額年金保険が少ない理由でしょう。
ただこれでは、最近になって変額年金保険がシェアを落としている理由にはなりません。ここに来てさらに契約件数が減ったのには、さらに別の理由がありそうです。
元本保証が減ったのが理由か?
それでは最近になって変額年金がシェアを落としている理由は何でしょう。その理由はおそらく、元本保証の変額年金保険が減っているからでしょう。
少し前まで、生命保険会社は元本保証付きの変額年金保険を積極的に販売していました。生保会社自身だけでなく、銀行や証券会社などを販売チャンネルにして幅広く販売していたのです。
しかし最近では、元本保証つきの変額年金保険はほとんど見られません。おそらく、これが変額年金のシェアが減った大きな要因でしょう。元本保証で無ければ、保険契約者の心はつかめないわけです。
元本保証の変額年金保険は別段有利ではない
ちなみに、金融商品としてみた場合、元本保証の変額年金保険は別段有利ではありません。元本保証という形のリスクヘッジをつけるということは、大きく増やす可能性を減らしているだけなのです。
手数料が大きくなる分、むしろ不利な商品である可能性すらあるのです。
そういう商品を好む日本人の消費行動は、多少奇異な感じがしないではありません。合理性を欠く行為だからです。
まあ、人間合理性だけで行動できませんから、こういうことも起こりうるでしょうね。
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