2012年ごろに生命保険会社は積極的に海外進出を図っていたようです。円高の影響と国内景気の悪化で、海外に活路を求めたのでしょう。この傾向は未だに続いています。実際にどんな動きがあるのか、調べてみました。
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海外生保の買収や出資のニュースが増えました
最近、生保会社の海外進出のニュースを見かけることが多いような気がします。最近の例だと、第一生命と富国生命がインドネシアの生保会社の株式に興味を示しているというニュースを見ました。
■ 第一生命と富国生命、インドネシア生保の株式取得入札に参加=関係筋(ロイター)
(追記:富国生命はバングラデシュにも興味を持っているようですね)
国内での行き詰まりでしょうか
日本の生保が海外に目を向けているのは、国内市場に行き詰まりを感じているからでしょう。日本の生命保険市場は年々縮小する傾向にあります。そして人口構成を考えると、今後若い人が減るのは確実です。ということは、将来的には市場はさらに小さくなる可能性が高いでしょう。このままいくと、ジリ貧なのは間違いありません。
こうなると、国内向けに新商品を開発するか、海外マーケットを目指すしかありません。国内向けの新商品と言っても、保険で画期的な新商品を作るのは簡単ではありません。そうなると、海外マーケットと言う事なのでしょうね。中国や東南アジアはこれから経済規模も大きくなっていくでしょうし。
撤退する動きも
とは言え、こうした海外進出が必ずしもうまく行っているわけではないようです。一部の生保会社は海外から撤退する動きもあるようです。
例えば、ソニー生命はフィリピンの生保子会社を売却したようです。
■ ソニー生命、フィリピン生保子会社売却(日本経済新聞)
ソニー生命保険は6日、フィリピンの生保子会社の全株式を現地の保険会社パラマウントに同日付で売却したと発表した。
ちなみにソニー生命は、海外から全面撤退のようですね。将来を模索して海外進出しても、うまく行かない事も多いということなのでしょう。日本のやり方がそのまま通じるわけでもないですしね。まあ、試行錯誤の段階なのでしょう。
大手生保の海外生保の買収や出資
2010年以降の大手生保の海外の生保の買収や出資を上げてみました。相変わらず、海外進出には積極的なのが分かります。
安倍政権になって円安になってからも、一気に減っているわけでも無いようですね。
明治安田生命
- 2010:ハイアール・グループ(中国)と業務提携
- 2010:タランクス社(ドイツ)と業務提携
- 2010:アブリスト社(インドネシア)と業務提携
- 2012:オイロパ社(ポーランド)の株式を27%取得
- 2012:ワルタ社(ポーランド)の株式を30%取得
- 2013:タイの生命保険会社タイライフ社と戦略提携
- 2016:スタンコープ社(米国)を買収、完全子会社化
日本生命
- 2011:インド リライアンス・ライフ社に資本参加し、グループ会社化
- 2014:インドネシア セクイス・ライフ社に資本参加し、グループ会社化
- 2015:豪州MLC 生命保険事業へのマジョリティ出資合意
- 2016:豪州生命保険会社MLC Limited を子会社化
住友生命 沿革
- 2012:バオベトホールディングス(ベトナム)と戦略的業務提携を締結
- 2013:バンク・ネガラ・インドネシア、BNIライフ・インシュアランスと戦略的業務提携を締結
- 2016:米国生命保険グループ「シメトラ」の買収手続き 完了
- 2016:エヌエヌ生命と業務提携を締結
第一生命ホールディングス 沿革
- 2011:オーストラリアのタワー社を100%子会社化し、「TAL Limited(TAL社)」(現・TAL Dai-ichi Life Australia Pty Ltd)に名称変更。
- 2012:米国「Janus Capital Group Inc.(ジャナス社)」(現「Janus Henderson Group plc(ジャナス・ヘンダーソン社)」)と出資・業務提携契約を締結。
- 2013:インドネシア「PTパニン・ライフ」(現・PTパニン・第一ライフ)」を関連会社化。
- 2014:米国「Protective Life Corporation(プロテクティブ)」の買収公表。
- 2015:米国「Protective Life Corporation(プロテクティブ)」を完全子会社化。
- 2015:北米地域統括会社「DLI NORTH AMERICA INC.」およびアジアパシフィック地域統括会社「DLI ASIA PACIFIC PTE.LTD.」の運営開始。
国内でも意外と善戦しているようです
上に、国内では厳しいから海外に出て言っているという事を書きました。確かに当時(2012年前後)は生命保険業界は低調だったのですが、その後だいぶ勢いを取り戻しています。
日本全体が景気回復をしているのも大きいのですが、銀行での生保の販売が好調なようですね。また。外貨建ての終身保険が売れているようです。
率直に言って、個人的には、外貨建て終身保険のメリットがさっぱりわかりません。それでも、実際に売れているわけですから、何か上手な売り方があるのでしょうね。
転んでもただでは起きない生保業界という感じがしています。
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